地球温暖化による、氷と海面上昇の関係

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地球全体の温暖化により、陸上の氷床・氷河が溶けたり、水温の上昇により海水の膨張が起こると、海面上昇が発生します(北極海などの海に浮かんでいる氷が溶けても海水面は上昇しません。それはコップの水に氷を浮かべて、溶けても水が溢れないのと同じです)。

海抜以下の地域を抱えた各国、特にオセアニアに集中している島国などにとっては、温暖化による海面上昇は差し迫った問題となっています。既にツバルでは集団移住が計画されており、今後この様な海面上昇による移民(環境難民)の発生が予測されています。

IPCCの第3次報告書には、温暖化の結果降水量が増加するために南極については氷床の体積が増加するだろうと明記されていますが、西暦2100年までに30cmから1mの海面上昇が起こるだろうと計算されています。

%E9%A4%8A%E6%AE%96.jpg日本においては、温暖化による小さな海面上昇でも汽水域(海水と真水の交わる水域)の移動などの影響があり、汽水域を必要とするノリ、カキ、アサリなどの沿岸養殖を含む各種の漁業に、深刻な影響を与える懸念があります。また、秋に起きやすい異常潮位による浸水区域の広域化を招くため、防潮扉、それに伴う排水ポンプの設置など、海岸沿いの地域経済及び自治体に多くの負担を強いることとなります。

また、東京などの沿岸部に近い都市部の、海岸に近い地域では、温暖化による海面上昇に伴い、地下水の水位が上昇します。これにより、地下鉄など地下に埋設された空洞部分の地下水に対する浮力が増し、地下道の破壊を招く恐れがあります。この対策として、地下設備のアンカー固定を行う作業が必要となります。温暖化との直接の関連性は見受けられrませんが、東京などでは近年、地下水の上昇に伴い、地下駅の浮力の上昇が問題となっています。

同時に、温暖化による海面の上昇は地下水における海水の侵入をも意味します。
日本の工業地帯は主に海岸部に集中し、多くの地下水をくみ上げ工業用水として使用しています。すでに地盤沈下などで工業用水のくみ上げの規制は行われていますが、これに海水が混入し始めると、工業用水としての利用はできなくなります。
このため、淡水化事業、ダム水利権など多くの問題が発生することとなります。また、海岸に近い水田では、地下深くにあった塩分の層が地表近くに達し、干拓地などにおける水田では、稲作に深刻なダメージを与えることが懸念されています。加えて、河川の塩水くさびの影響が中流域にまで達すると考えられ、平野部の農業用水や生活用水の取水に大きな影響を与えるものと考えられます。